教室に野良犬が入って来た
小学何年生だったか。
朝、教室に着いて、ランドセルをロッカーに仕舞い、自席で学級文庫を読んでいた。
本の世界にすっかりのまれて、ふと気づいたら、周りがやけに静か。
目を上げると、誰もいない。
しまった!
窓の外、校庭では、既に全校朝礼が始まっている。
もう、このまま、隠れているしかない。
そんな時、教室に野良犬が入って来たのだった。
犬が恐いわたし。大ピンチ。
記憶はここまで。
よくある話のような気もする。
わたしの思い出じゃないのかも。
他人の思い出を自分のものと思い込んでいるのかも。
仕事帰り、喫茶店で本を読んでいて、頭に浮かんだわたしか誰かの記憶の話です。