briefeannatsuの日記

読書メモ

『ふくろ小路一番地』を読みました。

『ふくろ小路一番地』
イーヴ・ガーネット
石井桃子

イギリスのオトウェルという街に住む、ごみ収集の父親と洗濯屋の母親と7人の子供たちの、面白おかしくて愛しいエピソードが10ならんでいる。
人絹、しんがり、公休日の「身代かぎり」、その他の少しおばさんぽい日本語訳でお喋りするように綴られている文章を読むと、祖母や母の話を聞いている気分になる。
私のお気に入りは黒手ギャングに加わった双子のジムとジョンそれぞれの冒険と、ラッグルス父さんが小説家のショート氏のお金を拾ったおかげで家族全員でおめかししてロンドンへ出掛ける話。特にラストがとびきり洒落ている。

子供たちそれぞれが自分に起きた問題をどうにか自分で解決しようとするところが良い。やっぱりヨーロッパは個が確立されているということなのかな?