briefeannatsuの日記

読書メモ

『ミレナへの手紙』の日々6

『ミレナへの手紙』
カフカ
池内紀

「厳密にいうと、ぼくたちはいつも同じことを書いている。きみは病気じゃないかとぼくがたずね、同じぐあいにきみがたずねる。ぼくは死にたいと願い、きみもそうだ。ぼくが切手を望むと、きみも望み、少年のようにきみの前で泣きたいぼくと、少女のようにぼくの前で泣きたいきみと。一度ならず、十度ならず、千度ならず、ずっとずっときみのそばにいたいし、きみも同じことを言う。もう十分だ。」