briefeannatsuの日記

読書メモ

2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『まっぷたつの子爵』の日々 終わり

まっぷたつの子爵 イタロ・カルヴィーノ 河島英昭訳石油ストーブの前でうずくまり、最後のページを捲りました。戦争で体がまっぷたつに引き裂かれた「ぼくのおじさん」がおこす哀しい行動の数々を、青春期の「ぼく」が語ることで、自己という、とらえがたいテーマ…

『まっぷたつの子爵』の日々2

まっぷたつの子爵 イタロ・カルヴィーノ 河島英昭訳「なぜなら美も、知恵も、正義も、みな断片でしか存在しないからだ。」「まっぷたつへの憧れ」

『まっぷたつの子爵』の日々1

まっぷたつの子爵 イタロ・カルヴィーノ 河島英昭 訳私にとって4冊めの、晶文社「文学のおくりもの」。 今までに読んだ、『ひとつのポケットから出た話』『ぼくはだれだ』『コニーアイランド物語』、どれも私の内面の青い部分に響く、心近しい友だちのような本…

桃子さんとの日々 終わり

石井桃子コレクションⅤ エッセイ集 石井桃子 桃子さんとの日々は、まったくもって不似合いな、ネパール食堂のテーブルのうえで幕をおろしました。元々持っていた夢を叶えたというかたちではなく、目の前の縁のあることに、ただただ取り組んで来た人という気…

桃子さんとの日々4

石井桃子コレクションⅤ エッセイ集 石井桃子「あるとき、私は偶然、ラフカディオ・ハーンが、昔、帝大でした講義を読んで、衝撃といってもいいほどの感銘をうけた。それは、ハーンが、アイスランドの伝説や北欧の近代作家の文章について講じた箇所であった。」「…

桃子さんとの日々3

石井桃子コレクションⅤ エッセイ集 石井桃子桃子さんの友だち、マサチューセッツに住む、「おっとりした」中学生ビル。 「お金をためて、ほしいものを買おうと思いきめ」、「あちこちのコーヒーの問屋に手紙を書」き、祖母に借金してコーヒー豆を仕入れ、「学校から…

桃子さんとの日々2

石井桃子コレクションⅤ エッセイ集 石井桃子「私たちおとなのなかにある、ある気取りが、文章をなよなよさせたり、すてきっぽくさせたり、いかめしくさせたりして、むずかしくしていることは、たしかである。」気取っちゃってますね、私はたしかに。 素直に書…

銀紙と釘

先々週末、教育テレビで、イ・ジュンソプという画家を初めて知った。 銀紙に釘で描いた小さな絵たちは、私の頭の中の、ロベール・クートラスのガードたちや、ドナルド・エヴァンスの切手たちと、同じ場所に整理された。 離れて暮らす妻に送った手紙の、宛名…

桃子さんとの日々1

石井桃子コレクションⅤ エッセイ集 石井桃子「ある日、そのころ食事ともいえない食事のあと片づけをしながら、流しの上の窓から外をながめると、木々はみどりで、みどりをすかして見る空がほんとうに美しかった。そのとき、私は、自分のからだが、木々と私の…

芽キャベツと甘栗のサラダ

『イギリスの家庭料理』 砂古珠緒芽キャベツ、天津甘栗、スライスアーモンド、 ゴールデンシロップ、バター、塩、ナツメグ。こっくりした甘さと、しょっぱさ、芽キャベツの苦さ。 ボールに山盛りを抱え、大きなスプーンでもぐもぐ食べたくなる美味しさでした…

『ミレナへの手紙』の日々は終わったのでした!

『ミレナへの手紙』 カフカ 池内紀訳他人の恋文を鬱々読む日々はもう終わり。 今朝、布団のなかで、静かに幕を閉じたのです。 ミレナが「ナーロドニー・リスティ」に寄稿した「かまどの悪魔」。 それを受けてカフカが書いた天使とユダヤの対話。(引用しようと思っ…

蓮根と白味噌のポタージュ

『POTAGEー野菜たっぷり家族のスープ』HORO Kitchen蓮根、長ネギ、生姜、 昆布と干し椎茸のだし、白味噌。おかわりは玄米ご飯にかけて食べた。 麦飯にも合いそう。