『飛ぶ教室』を読みました。
『飛ぶ教室』
エーリヒ・ケストナー作
池田香代子訳
隅々まで善意の行き届いた、完璧なクリスマス物語だと思った。前書きで早くもうるうるしてしまう。強く優しい母親思いの男の子は確かに素敵だと思う。けれど、恐らくこの先、子供を産むことの出来ない私にはチクッと胸を突かれるメッセージにも感じる。それはこの話だけではなく、ケストナー作品全てから感じる母親への執着を私が歪めて受け取っているからだと思う。私の居場所はここにも無いのね、という。とはいえ、甥や姪に薦めたくなる良書である。ステキ男子の禁煙さんと正義さん、私は禁煙さん派。
『プリンセスメゾン』を観ました。
『プリンセスメゾン』
原作 池辺葵
脚本 高橋泉 松井香奈
最終回の、女性のためのマンション購入講座で講師が言う「大切なのは自分がどうしたいか、です」がこのドラマから私が受け取った全てだと思う。
両親を亡くした少女が、やがて社会人となり、コツコツ貯めたお金で、自分の家を買おうとするお話。
誰かに頼るという発想が元から無い少女の潔さに打たれた。
普通はこうよね、というのが一つも無い、個々に個々の悩みと向き合う登場人物たちが愛しかった。
『誰のせいでもない』を観ました。
『誰のせいでもない』
ヴィム・ヴェンダース監督
えっこれで終わるの?というところで終わってしまった。
事件から何年も経った後、主人公は、死なせてしまった少年の兄からの手紙と母親からの電話に対し、ちょっと面倒臭そうだった。
そんなもんなんだろうな。けど、やだな。
主人公が元カノに叩かれる場面が好き。
もちろん私の感情移入の対象は元カノ。
『パリ、テキサス』を観ました。
『パリ、テキサス』
ヴィム・ヴェンダース監督
ナスターシャ・キンスキーが美しかった。
まず第一に。
マジックミラーを介しての対話シーンは、フロイトだのラカンだの、そういう難しい解釈の仕方があるんだろうな、と思いつつ、単純にステキだと感じた。二人、泣いているのだもの。
良かった。