briefeannatsuの日記

読書メモ

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ロシア兵のスープ

『POTAGEー野菜たっぷり家族のスープ』 HORO Kitchenこの料理本の著者の曾祖父が、満州でロシア兵に教わったという、まるごとの馬鈴薯と玉葱とコンビーフの、塩味のスープ。 おととい作って、昨日の朝食べた。 給食っぽい、懐かしい味がした。わたしの祖母の…

「野良犬に噛まれたと思って」

昨日の野良犬で思い出した。女友だちが、「いい人だけど、でも、ネ」と内心低く見ていた男性と、相合い傘をする状況になってしまった。後日、共通の知人にそのことを話した。もしかしたら、その男性と相合い傘なんて不本意、という気持ちが顔に出ていたのかも…

教室に野良犬が入って来た

小学何年生だったか。 朝、教室に着いて、ランドセルをロッカーに仕舞い、自席で学級文庫を読んでいた。 本の世界にすっかりのまれて、ふと気づいたら、周りがやけに静か。 目を上げると、誰もいない。 しまった! 窓の外、校庭では、既に全校朝礼が始まって…

セロリとりんごのポタージュ

『POTAGEー野菜たっぷり家族のスープ』 HORO Kitchen前々から作ってみたかったセロリとりんごのポタージュを作った。 セロリ、りんご、玉ねぎ、ローリエ。 生クリーム、塩胡椒。 ミキサーにかける直前、ローリエを取り出す作業にいちばん難儀した。 20分間…

『ミレナへの手紙』の日々8

『ミレナへの手紙』 カフカ 池内紀訳「ー今日はお伽噺をする気になれない。頭が駅のようで、列車が入ってきたり出ていったり、税関に人の列、国境監視官がぼくのビザに目を光らせている。このたびは問題なし。どうぞ。どうぞ。『結構です。駅から出てよろしい…

『ミレナへの手紙』の日々7

『ミレナへの手紙』 カフカ 池内紀訳「自分の存在によってのみ他人を救うことができる。ほかに方法はないということをね。ミレナはすでにその存在でもってぼくを救い、さらにほかのさまざまな手段で救済しようとしている。誰かが他人を溺死から救い出せば、そ…

『ミレナへの手紙』の日々6

『ミレナへの手紙』 カフカ 池内紀訳「厳密にいうと、ぼくたちはいつも同じことを書いている。きみは病気じゃないかとぼくがたずね、同じぐあいにきみがたずねる。ぼくは死にたいと願い、きみもそうだ。ぼくが切手を望むと、きみも望み、少年のようにきみの前…

『ミレナへの手紙』の日々5

『ミレナへの手紙』 カフカ 池内紀訳しつこくこれ。「といって愛しているのはきみではなく、きみによって与えられた自分の存在を愛している。」カフカはミレナの返事をいつも待ち望んでいる。 ミレナによって与えられる自分の存在は、彼女の返事が届かないと更…

『ミレナへの手紙』の日々4

『ミレナへの手紙』 カフカ 池内紀訳「といって愛しているのはきみではなく、きみによって与えられた自分の存在を愛している。」これを日記ではなく、読み手の決まった手紙に書くのですね。正直だけど、甘ったれた人だとも思う。

『ミレナへの手紙』の日々3

『ミレナへの手紙』 カフカ 池内紀訳1920年7月4日の手紙が好きと思った。寝返りの描写と駅で別れたあと新聞を読み、読むのを止め、プラットホームですわっているところ。「そのときプラットホームの風景は、これまで一度も見たことのない自然現象だった。陽光…

『ミレナへの手紙』の日々2

『ミレナへの手紙』 カフカ 池内紀訳「昨日、“それから”の一字をあなたの手紙で数えたら、とてもたくさんあった。わたしにどうして“それから”を、こんなにたくさん書けたりするのだろう」

『ミレナへの手紙』の日々1

『ミレナへの手紙』 カフカ 池内紀訳今のところ、「二日と一晩降りつづいた雨」以下、「日が短いです」以下、「いつになったら、でんぐり返った世界を」以下、あと、「(ミレナさん、助けてください!言葉以上のことをわかってください!)」以下、とかが好き。手紙は…

メリー・ゴウ・ラウンド

帰ってきたメアリー・ポピンズ P.L.トラヴァース 林容吉訳最終章で子ども達がメリー・ゴウ・ラウンドに乗っているシーンの描写が美しくて3度くらい繰返し読み、携帯電話のメモに書き写した。「(略)今夜こうして、ぐるぐるまわるメリー・ゴウ・ラウンドに乗っている…