『飛ぶ教室』を読みました。
『飛ぶ教室』
エーリヒ・ケストナー作
池田香代子訳
隅々まで善意の行き届いた、完璧なクリスマス物語だと思った。前書きで早くもうるうるしてしまう。強く優しい母親思いの男の子は確かに素敵だと思う。けれど、恐らくこの先、子供を産むことの出来ない私にはチクッと胸を突かれるメッセージにも感じる。それはこの話だけではなく、ケストナー作品全てから感じる母親への執着を私が歪めて受け取っているからだと思う。私の居場所はここにも無いのね、という。とはいえ、甥や姪に薦めたくなる良書である。ステキ男子の禁煙さんと正義さん、私は禁煙さん派。